はじめまして!
こよみのあしおと代表の久保田です。
「こよみのあしおと」とは農家さんと、農作業したい一般消費者の方をつなぐ活動している団体で、2010年から宮城県仙台市近郊で活動をしています。
もうかれこれ15年以上農作業のお手伝いをしていることに最近気が付きました!
この経験を活かして、もっとたくさんの方に農への一歩を踏み出していただきたいと思い、これから記事を増やしていきます。よろしくどうぞ。
農作業のお手伝いをする人は「援農ボランティア」と呼ばれています。
全国的に広がりを見せている援農ボランティア。まずは身近なところから始めていただくために、皆さんが最初に抱くであろう4つの疑問にお答えしていきます。
初回ということで、今回は初心者向けにまとめていきますね!
1)援農ボランティアってなに?
「オフィスワークだから毎日屋内で座ってばかり⋯」
「野菜を育ててみたいけど、畑を借りるほど頻繁には行けない⋯」
「なにか人のためになることないかな⋯」
どれか一つでも、ふと頭をよぎったことはありませんか?
実は、一見全然関連がないように思われるこれらのことがすべて解決できる
『一粒で何度もおいしい活動』があるのです。
それが「援農ボランティア」!!
「援農ボランティア」とは、無償性、自発性、公益性/社会貢献性を含みながら農業を応援する人や制度のことをいいます。
⋯難しかったですね。
まず、援農とは
- 援(えん): 援助、支援、応援
- 農(のう): 農業、農作業、農家
から来ている造語です。
ということで、簡単に言うと「農業、農作業、農家を援助、支援、応援する!」です。
⋯そのままですね。
そこに「ボランティア」という言葉を付けるのは、ボランティアに含まれる意味として、
- 無償性:金銭的な報酬を目的としないこと
- 自発性:強制ではなく、自身の意思で行うこと
- 公益性/社会貢献性:個人や特定の組織の利益だけでなく、社会全体の利益になること
があります。
「援農」という表記だけですと、対価の有無にかかわらず、農業をサポートする行為全般を指す包括的な言葉になります。
ですので、「ボランティア」をあらかじめ表記しておくことで、農家さんと援農を行う人、そして双方をつなぐ団体(自治体など)皆が統一した意義を認識することができます。
よって、援農ボランティアさんが「私、援農やってるだ!」と言うのは、全く問題ありません。
では、「農業体験」とは何が違うのでしょうか?
農業体験は文字通り、農業を体験すること全般です。
ですので、援農ボランティアも大きく言えば農業体験の一部ですが、私はこう考えます。
つまり、農業体験という大きな枠の中に援農があり、さらにその中に援農ボランティアがある、といった具合です。
2)初心者だけどできる農作業ってあるの?
はい!ありますので、ご心配なく♪
援農ボランティアを募集する団体によっては、事前に研修や講座を受講してから作業するというところもありますが、「こよみのあしおと」のように、全く農作業をしたことのない人を受け入れている団体もあります。
子どもや力のない人でもできることもある。農業は誰でも受け入れてくれるところです。
ただし、農家さんの懐の深さも関係してきますので、どこでもできるとは言えないのが実状です。
とはいえ、これまで団体代表として経験してきて、初めての方でも「これならできる!」と確信しているものを3つお伝えしますね!
畑の片付け
とにかく畑を何もない状態にします!!
例えば、ナスが植わっていたところをすべて抜いて、マルチという資材を外して、次に別の種や苗を植えるための準備作業になります。
これは根こそぎ全部なくすので、これは抜いて、これは抜かない、といったことがありません!なので、初めての方でも無心になって取り組めます。
重いものや抜くのに力が必要なものはありますが、そこはできる人にお願いしましょう!
草取り(ものによります)
上の畑の片付けと同様に、生えているものすべて抜くパターンであれば、誰でもできます。
しかし、例えば人参の畑。人参の芽が10cmくらいでも草取りが必要になりますが、これが雑草と区別が非常につきにくい。この場合は初心者の方には難しいかもしれません。でも、最初に説明を聞いて、急がずにやれば、できなくはないです。
ですので、まずは抜く草と野菜の芽の見た目が全然違うものであれば、積極的に取り組んで見ましょう!
収穫(ものによります)
子どもたちによくやってもらうのは、ナスやシシトウなどの苗を抜く(倒すともいいます)前に、取り切れていなかったものを取ってもらいます。子どもは目線が低いので、大人では見つけられないものも
たくさん見つけてくれます。そうしたものは、お土産にしてもらっています。
あとは、玉ねぎの収穫もできますね。これはすーーーーーーっぽん!て感じで抜けるので、とても気持ちがいいです!
商品に傷がつくと困るものは最初から農家さんも指示してきません。ですので、頼まれたものはやっていいということですから、チャレンジしてみてください。
もし意図していないものを取ってしまった時も、きちんと報告すれば農家さんは怒りませんから、安心してくださいね。
3)援農ボランティアで得られることってなに?
身体を動かす爽快感や、人の役に立てることの喜び。得られることは、それだけではありません!
私がこよみのあしおとを立ち上げようと思った主なきっかけは
- 自分自身が農作業を体験したときに、美味しい空気の中、土に触れながら身体を動かせることに対して、癒やしや爽快感を感じたこと
- 農家のおじいさんが「農家は手が足りないんだ」と少し悲しそうに言っていたこと
でした。
それであればみんなでやったら楽しいし、お世話になっているおじいさんにもお返しできて、皆で笑顔になれるのでは?と思ったのです。
結果、参加してくださる会員さんは多くがリピートしてくださいます。これは、当初私が感じた癒やしや爽快感、そして人の役に立てることの喜びを、会員のみなさんも感じてくださっているのではないかと思っています。
もちろん上記だけではないと思います。
会員さんからは、こんなご意見もいただいています。
- 子どもに土に触れさせる機会がある
- 野菜がこういうふうにできていると知ることができる
といった農地での体験以外にも、
- 農家さんに野菜の育て方を教えてもらえる
- 普段の生活では出会えない方々とお話ができる
など、コミュニティとしての役割も果たせていると感じます。
これらを「得られること」と思ってくださる読者の方がいらっしゃったら、あなたはすでに「援農ボランティア」にふさわしい存在です!
4)援農ボランティアってどう探すの?
ここまでお読みいただき、ワクワクされた方はぜひやってみたい!と思われていることでしょう。
ぜひ、お近くでできるところの探し方をお伝えします。
運営は主に自治体、ボランティア募集サイト、民間団体の3つがあります。
それぞれの特徴を挙げていきます。
自治体のサイト
「援農ボランティア ◯◯市」のように、援農したい地域名を入れて検索してみてください。自治体によって、電話でないと受付してなかったり、Webフォームで登録できるところもあります。
「援農ボランティア」で検索して、行政のサイトで一番上に出てくるのが静岡市ですので、静岡市を例に挙げます。
・静岡市援農ボランティア事業
https://www.city.shizuoka.lg.jp/s5436/s002570.html
ボランティア募集サイト
・activo
https://activo.jp/environment
国内最大級のNPO・社会的企業のボランティア・職員/バイトの募集サイト。全国の情報がまとまっていて、ボランティア✕観光・ツアーといったかけ合わせの募集も。(上記リンクは環境と農業分野のものが探せるページになります)
民間団体
・e-たび日和
https://ntour.jp/agribank/ennoutai/
JAグループの株式会社農協観光が運営。アグリ人材バンクという事業で、援農ボランティアを法人と学生に絞って募集をしている。
・とうきょう援農ボランティア
https://www.agrivolunteer-tokyo.jp/
公益財団法人東京都農林水産振興財団が運営。募集している農家さんのページがあり、行きたいところを選ぶことができる。また、いつ受け入れ可能なのかもわかり、応募がしやすい。都内でするならこちらから。
・こよみのあしおと
もこちらに入ります♪
宮城県仙台市近郊での作業となりますが、会員さんのご住所はどちらでも構いません。
会費は年間1000円、交通費、昼食代はご自身でご負担ください。
保険は弊団体で加入しています。
皆さんの労働力と引き換えに、お野菜をお渡ししますので、マイバッグをお忘れなく!
5)まとめ
1)援農ボランティアってなに?
援農ボランティアとは、無償性、自発性、公益性/社会貢献性を含みながら農業を応援する人および制度のことをいいます。
2)初心者だけどできる農作業ってあるの?
はい!畑の片付けや草取り、収穫があります。初心者には難しいなどは農家さんが判断して依頼しますので、依頼されたのならチャレンジしてみましょう!
3)援農ボランティアで得られることってなに?
癒やしや爽快感、人の役に立てることの喜びの他にも、普段はできない体験や、新たなコミュニティの場として利用できる点が、リピートに繋がっているようです。
4)援農ボランティアってどう探すの?
運営は主に自治体、ボランティア募集サイト、民間団体の3つがあり、「援農ボランティア ◯◯市」といった形でネット検索したり、それぞれのサイトで探すことができます。
ということで、いかがでしたか? 今すぐ援農ボランティアを検索してみたくなったでしょうか?
今回は「援農ボランティアについてはじめに抱く4つの疑問にお答えしました。
他にも質問などありましたら、教えていただけると嬉しいです。
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